遠野なぎこが頭角を現したのは1990年代半ばのことでした。TBSテレビを代表する大ヒットドラマ『未成年』で見せた繊細かつ鬼迫に満ちた演技は、視聴者の心に強い印象を焼き付けました。さらに1999年には、NHKの連続テレビ小説『すずらん』でヒロイン・萌を可憐に演じきり、国民的女優としての地位を確立します。
しかし、画面越しに届けるあどけない笑顔や迫真の演技の裏で、彼女の私生活は崩壊寸前の状態にありました。子役として働き始めた幼少期から、家庭内は安らぎの場ではなく、むしろ緊張と恐怖が支配する空間だったのです。スポットライトを浴びる光の時代と、家庭内で耐え忍んでいた陰の時間は、背中合わせで存在していました。