「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」。文言を細かく分解すると、この国の成り立ちが浮き彫りになる。まず「グレートブリテン」とは、イングランド、スコットランド、ウェールズの3つの地域が位置する島そのものを指す地理的概念だ。そこに、アイルランド島の北部に位置する「北アイルランド」が加わることで、現在の国家が形成されている。
つまり、単一の民族国家ではなく、独立した歴史と文化を持つ4つの「カントリー(構成国)」がひとつに合体した連合体なのだ。現地で「どこから来たのか」と問われた際、住民が「イギリス人(British)」ではなく「スコットランド人(Scottish)」や「ウェールズ人(Welsh)」と誇りを持って答える理由は、まさにこの国家構造に起因している。