東京圏を中心とする家賃水準の上昇は、若年層の住居選びに劇的な変化をもたらした。相場よりも2割から5割近く安い「訳あり物件」を、あえて積極的に選択する若い世代が増加しているのだ。
「理由がはっきりしていて安いのなら、まったく気にならない」。そう語る20代のITエンジニア男性は、フルリノベーションされた都心の事故物件で暮らす。幽霊や祟りといった超自然的な事象に対する心理的ハードルが低くなったわけではない。それ以上に、目に見える固定費の削減や生活の質(QOL)を最優先する現実主義的な価値観が、過去の忌避感を上回っているのだ。