現場取材を通じて見えてきた「中古艇購入で手痛い失敗を喫する人」には、明確な行動パターンが存在します。水上オートバイは四輪自動車と異なり、冷却水として周囲の海水や淡水をエンジンルーム内に直接取り込む構造を持っています。この基本構造を理解していないことが、最大の悲劇を生む要因です。
第一の共通点は、「外装のピカピカ感」だけで機関状態を判断してしまう点です。FRPハル(船体)はコンパウンドで磨けば年式に関係なく光沢を取り戻せます。しかし、エンジン内部や電装ボックス内が塩害によってボロボロに腐食していても、外側からは見えません。海上で使用した後に適切な水通し(フラッシング)を怠っていた艇は、冷却水路に塩分が結晶化して詰まり、熱交換ができずにエンジン焼き付きを引き起こします。
第二の共通点は、「極端に安いオークション艇やフリマ艇」に飛びつく点です。水上バイクの個人売買トラブルは年々深刻化しており、「実動・絶好調」と書かれていたにもかかわらず、水に浮かべた瞬間に浸水したり、スロットルを開けても吹け上がらなかったりする事案が頻発しています。試乗(水上テスト)ができない陸上受け渡しの取引では、隠れた重大欠陥を掴まされる確率が跳ね上がります。