家庭でみかんをそのまま冷凍庫に入れると、時間の経過とともに果肉の水分が抜け、まるで綿を噛んでいるようなスカスカの食感になってしまいます。この現象の正体は、冷凍庫内の冷風による「昇華(乾燥)と酸化」です。家庭用冷凍庫は湿度が低く、無防備な果実からは水分が急速に奪われ、細胞壁が破壊されて果汁が流出してしまいます。
市販の冷凍みかんや給食で提供されていたものは、表面に薄い氷のコーティングが施されています。これは食品冷凍技術で「グレーズ処理」と呼ばれるプロの技法です。一度凍らせたみかんを冷水にくぐらせ、再び凍らせることで、表面に厚さ0.5〜1mm程度の均一な「氷の膜」を形成させます。
この氷の膜がシールドの役割を果たし、庫内の乾燥から果肉を物理的に遮断します。結果として果汁の蒸発と酸化が完全に食い止められ、解凍した瞬間に搾りたてのようなフレッシュな果汁があふれ出す仕組みです。