「耳垢が湿っていて臭うのはすべて病気なのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。結論から言えば、日本人の約16%(地域差あり)に存在する「湿性耳垢」自体は、遺伝に基づく正常な生理現象です。
耳の穴の内側には、皮脂腺のほかに耳垢腺と呼ばれるアポクリン汗腺が存在します。このアポクリン汗腺から分泌される液体にはタンパク質、脂質、糖質が含まれており、これが外耳道の常在菌によって分解されることで、独特の体臭(いわゆるワキガ臭と同系列の臭い)が発生します。痛みを伴わず、昔から耳垢がキャラメル状または湿潤状態であるなら病気ではありません。しかし、「以前は乾燥していたのに急に湿って悪臭がする」「黄色い液体が垂れてくる」という変化が生じた場合は、感染症による耳だれであるため治療対象となります。