日本や中国の伝承において、鯉は極めて縁起の良い魚として尊ばれてきました。中国の『後漢書』などに記された故事「登竜門」では、黄河の急流「竜門」を登りきった鯉は天に昇って龍になるとされています。
この伝説から、鯉は立身出世や忍耐力、不屈の生命力の象徴と位置づけられ、日本でも端午の節句に「鯉のぼり」を立てて子どもの健やかな成長と立身出世を祈る文化が定着しました。
資金力や戦力で他球団に劣り、「お荷物球団」と揶揄された創設期のカープにとって、鯉の持つ不屈の精神はチームの精神的支柱となりました。どんなに厳しい環境であっても、急流を泳ぎ切ればいつか頂点に立てるという信念が、後の赤ヘル旋風や数々のリーグ優勝へと結実していったのです。