楽曲のモチーフとなった「ハワイ航路」には、日本の近代史が色濃く反映されています。戦前の日本郵船が運航していた「浅間丸」や「龍田丸」などの豪華客船による太平洋航路は、当時の日本にとって世界最高水準の誇るべき航路でした。しかし太平洋戦争によって民間大型客船の多くが沈没し、戦後しばらくの間、航路は途絶えていました。
つまり、当時の日本人にとって「ハワイ航路」という言葉の由来は、失われた輝かしい誇りと平和の象徴そのものでした。ハワイへ渡航すること自体が途方もない贅沢であったからこそ、人々はその名に格別のロマンを感じ取っていたのです。現実の厳しさを乗り越えるための精神的支柱として、このフレーズは特別な響きを持っていました。