車窓から広がるダイナミックな地形は、地球の息吹を間近に感じる三陸ジオパークの真骨頂だ。隆起と浸食が数億年かけて形作ったリアス海岸の奇岩群が、コバルトブルーの海と鮮やかなコントラストを描く。特に安家川橋梁や大沢橋梁などの絶景ビュースポットでは、列車が速度を落として徐行運転を行う。息を呑むような大パノラマをじっくりと撮影できる粋な計らいは、旅人の記憶に深く刻まれる。
途中下車して立ち寄りたい名所も数多い。恋人の聖地として名高い恋し浜駅では、ホタテの貝殻に願いを書いて吊るすロマンチックな体験が待つ。また、浄土ヶ浜への玄関口となる宮古駅周辺では、白い流紋岩と緑の松、透明度抜群の海が織りなす極上の景観が広がる。岩手県が誇る大自然の造形美を、列車の揺れに身を任せながら味わう時間は贅沢そのものだ。