近年、旅の目的として地域の歴史やディープな精神性に触れる寺社仏閣ツーリズムが国内外で定着しつつある。巨大な観光名所を足早に巡るのではなく、街の隙間に埋もれた物語を深く味わう旅のスタイルだ。
NHKの人気ドキュメンタリー番組『新日本風土記』などでも、都市のメガロポリスの中に残り続ける土着の信仰として大阪の路地裏カルチャーが幾度となく取り上げられてきた。過去の名作放送回をNHKオンデマンドで視聴してからこの地を訪れる旅人も多く、単なる観光スポットの枠組みを超えた文化探訪の場として再評価されている。
商業主義の波に洗われながらも、地域の人々が交代で清掃を行い、榊を替え、真摯に守り継いできた空間。コンクリートジャングルの中にぽっかりと開いたその神域は、現代人が無意識のうちに求めている「心の拠り所」としての機能を十全に果たしている。