ネット上の情報発信で頻繁にバズを生んでいるのが「室外機の上に水を入れたバケツを置き、タオルを垂らして毛細管現象で冷やす」という裏ワザです。しかし、空調修理を手掛ける現場のサービスエンジニアへのヒアリング取材では、この手法によるトラブル報告が相次いでいます。
「濡れタオルが強風で飛ばされ、回転中のファンガードの隙間から吸い込まれてプロペラファンが破損した」「バケツから溢れた水が室外機側面の配管引き込み口から内部に浸入し、端子台が焼損した」といった物理的事故の実例が多数確認されています。室外機の天板は単なる外装板であり、ここを冷やしても内部の熱交換器を通過する空気温度はほとんど下がりません。つまり、濡れタオルの危険性に対して実質的な冷却効果は極めて希薄です。
さらに、ガーデニング用ミストホースを室外機に向けて噴霧するDIYについても注意が必要です。日本の水道水にはミネラル分が多く含まれており、気化熱で水分が蒸発するたびに白い結晶(炭酸カルシウム)がフィンに焼き付きます。1シーズン放置した結果、フィンの隙間が完全に塞がり、エアコンの効きが著しく悪化してコンプレッサーが過熱停止(エラーコード停止)する事例が多発しています。専用の純水システムや自動制御を備えていない家庭用ミスト冷却は、デメリットが極めて大きい手法です。