ホールの歴史を語る上で外せないのが、近年の舞台鑑賞環境を根本から見直した「大ホール座席改修プロジェクト」の存在だ。長年の使用に伴い懸念されていたシートの経年劣化を解消するため、長時間の着座でも腰や背中に負担がかかりにくい高密度ウレタン素材のクッション構造を採用。座面幅のゆとりも拡張され、隣の観客との距離感がゆったりと保たれる設計へと生まれ変わった。
さらに、通路の勾配や足元のステップ幅、各座席からの視線角度の計算にいたるまでミリ単位の再設計が施された。これにより、どの座席からでもステージ上の演者や指揮者の動きに無理なく集中できる優れた視認性が実現した。歴史あるホールの佇まいを守りつつ、現代の劇場に求められる最新のホスピタリティを見事に融合させた改修例として、舞台芸術業界内でも高い注目を集めた。