ネットニュースのコメント欄や地域コミュニティにおいて頻繁に見られる誤解が、「パルティ・フジ坂が更地になり、完全に跡形もなく消える」という極論です。しかし、流通業界の事業戦略やディベロッパーの投資対効果の観点から精査すると、そこには重大な盲点が存在します。
まず、運営母体である株式会社フジ(現・フジ・リテイリング/持株会社フジ)にとって、安芸郡坂町・呉ラインにおけるドミナント戦略上、広島呉道路(クレアライン)坂北インターチェンジおよび坂駅前に位置するこの広大な拠点を完全に手放すリスクは極めて高いと言えます。坂町平成ヶ浜地区は、海沿いの住環境が整備され、広島都市圏へのベッドタウンとして一定水準のファミリー層人口を維持しているエリアだからです。
現在噂されている「建て替え計画」や「リニューアル情報」の本質は、「2000年代初頭に主流だったオープンモール型(平屋・個別棟分散型)の非効率性を是正し、現代のコンパクトな複合拠点へ再構築する計画」である可能性が濃厚です。敷地を更地にして全面撤退するのではなく、余剰となった駐車場や大型空き棟を再編・縮小し、エネルギー効率の高い最新店舗や地域ニーズに即したテナント構成へと転換する「スクラップ&ビルド」のプロセスが進行しているというのが、実態に即した分析です。