duftを語る上で欠かせないのが、主宰であるフローリスト・若井ちひろ氏の感性だ。彼女が手がけるアレンジメントは、単なる「可愛い」「華やか」といった言葉では括れない。茎のゆるやかなカーブ、葉の裏側の淡い色彩、蕾が開きかける瞬間の緊張感。植物が生きているプロセスそのものを、作品の中に封じ込める。
花束を仕立てる際、彼女は色の統一感だけに頼らない。花弁の質感、光の透過具合、影の落ち方までを厳密に計算に入れる。結果として完成するブーケは、正面だけでなくどの角度から眺めても破綻のない、複雑で立体的な造形物となる。