本作の120分という尺は、無駄のない洗練されたテンポで展開する。物語の核心にあるのは、タイムリミットに伴うパワーバランスの逆転だ。かつては対等、あるいは友人関係であったクラスメイトたちとの距離感が、性別の変容と「妊娠しなければならない」という命題によって急速に歪んでいく。
主人公は元の身体を取り戻すためにクラスメイトへアプローチを試みるが、その行為自体が彼女(彼)の精神を削っていく。差し出される欲望と、自尊心との衝突。この人間模様の愛憎劇が、エロティシズムの枠組みを超えた歪んだドラマ性を生み出している。