思春期の生徒たちにとって、フォークダンスにおける手の繋ぎ方は最大の関心事であり、同時に緊張の源泉でもありました。
基本となる手の繋ぎ方には、横一列や輪になって隣り合う人と手を結ぶ「オープンポジション」や、男女が並んで腕をクロスさせて手を握る「プロムナードポジション(スケーターズポジション)」などがあります。指導現場では「指先を軽く合わせる」「手のひらをふわりと重ねる」といったマナーが教えられましたが、男子の手汗や女子の指先の冷たさに、言葉以上の感情が交錯したものです。
直接手をつなぐことに抵抗を示す児童・生徒に対しては、ハンカチを介して手を繋ぐ方法や、手首を持つ指導法が採られることもありました。相手への敬意を払いつつ、過度な緊張感をほぐすためのステップ構成は、コミュニケーション教育の現場における工夫の積み重ねでもありました。