家庭で穏やかな幸福を享受する一方、石平氏の胸の奥には生涯消えることのない深い葛藤が刻まれています。それは、中国・四川省に残してきた実の両親や親族との関係です。
石平氏が日本国籍を取得し、中国共産党体制への鋭い批判を公に行うようになったことで、中国政府からは危険人物としてマークされることとなりました。これにより、祖国の地を踏めば拘束される危険性が極めて高くなり、実質的な「永久帰国不能」の状態に陥ったのです。
その後、中国に残された最愛の父親が病に倒れた際も、石平氏は看病に駆けつけることも、死に目に会うことすら叶いませんでした。親の墓参りすら許されない現実に対し、石平氏は著書やインタビューで「親不孝な息子である」と涙ながらに胸中を吐露しています。日本の自由を守るための言論活動の裏には、こうした血を流すような犠牲と覚悟が存在しています。