日本相撲協会が運用する定年制度は、原則として65歳で本採用の終わりを迎える。その後、最長70歳まで勤務を延長できる親方定年再雇用制度が用意されているが、2026年現在の運用ルールにおいては待遇や現場での権限に大きなシフトが生じている。かつて部屋を率いていた師匠であっても、再雇用後は「参与」などの役職となり、部屋の経営権や部屋主としての主導権は後進の師匠へと譲らなければならない。
報酬面でも現役時代や親方全盛期から大幅にカットされ、デスクワークや本場所での警備・案内といったサポート業務が中心となる。旧来の重厚な師弟関係から、実務型の組織運営へと舵を切る中で、ベテラン親方が培ってきた技術や相撲文化の口伝をどう残すかが問われている。