ふたりの出会いの原点となったのは、大人気漫画家・荒木飛呂彦の原作を実写化した『岸辺露伴は動かない』だ。NHK総合で年末特番として放送されるやいなや、従来のテレビドラマの枠組みを打ち破る重厚な映像美と異色の世界観で爆発的な支持を獲得。高橋一生演じる孤高の漫画家・岸辺露伴と、飯豊まりえ演じる担当編集者・泉京香のちぐはぐながらも妙にしっくりくる掛け合いは、作品の最大の魅力となった。
奇妙で恐ろしい不可解な現象に挑むサスペンス・ミステリーとしての緊迫感が漂う撮影現場において、二人のプロフェッショナリズムは際立っていた。妥協を許さない役作りで現場を引っ張る高橋に対し、飯豊は持ち前の明るさと鋭い感性で現場の緊張を和らげ、作品に鮮烈な光を吹き込んだ。長期間にわたる濃密な撮影期間を通じて、互いに対する演者としてのリスペクトは、やがて揺るぎない人間的な信頼へと姿を変えていった。