カネやんをめぐる最大のロマンの一つが、全盛期のストレートの球速です。当時はスピードガンが存在しなかったため、公式な計測記録は残っていませんが、対戦した同世代の打者たちは一様に「現代の160km/h投手より速かった」と口を揃えます。
報道各社のアーカイブ映像やフィルム分析、当時の打者たちの証言から見えてくる真相は以下の通りです。
- 長嶋茂雄氏の証言:「手元でホップしてくるような感覚。バットを振ったときには、もうキャッチャーミットに収まっていた」と回顧。
- 当時の捕手陣の証言:捕球時に捕手ミットの綿を突き破るほどの威力があり、捕手の左手親指が常に腫れ上がっていた。
- ドロップ(縦のカーブ)の落差:「2階からボールが落ちてくる」と恐れられた大きな縦のカーブが、剛速球をさらに速く見せる相乗効果を生んでいた。
近年の映像解析技術を用いた試算では、初速と終速の差が極めて小さく、初速換算で155km/h〜160km/h前後に達していた可能性が高いと指摘されています。投球板からリリースポイントまでの踏み込み幅が広く、打者の体感速度は現在の160km/hを優に超えていたと考えられます。