特報を放ったのはスポーツニッポン新聞社だった。早朝の紙面に踊った大見出しは、他社を圧倒する独自取材の賜物であり、瞬く間に業界全体へ波及した。この記事がポータルサイトのYahoo!ニュースに転載されるやいなや、アクセス数は跳ね上がり、コメント欄は瞬く間に荒れた。
テレビ局のワイドショーもこの機を逃さなかった。朝から夕方まで、各局のレポーターが当事者の自宅や関係先を取り囲む。芸能ジャーナリズムの名のもとに繰り広げられた追跡劇は、時に人権の境界線を脅かすほどの苛烈さを見せた。カメラのレンズは当事者たちの表情の一挙一動を捉え、コメンテーターたちは独自の倫理観で裁きを下していった。
当時の報道狂騒曲は、ネット社会の本格的な到来と重なっていた。SNSの草創期において、一般ユーザーが報道を増幅させ、批評家として参加する構造が完成した時期でもある。メディアと視聴者が一体となって特定個人を消費するシステムが、この一件でより強化されたことは否定できない。