端末全体あるいは特定アプリの位置情報を遮断することには、明確な利点と同時に重大なトレードオフが存在します。利用実態に即したプラス面とマイナス面を整理します。
プライバシー保護とバッテリー節約の実際
最大のメリットは、個人の行動追跡を遮断できる点と、写真の位置情報オフによる安全対策です。スマートフォンのカメラは初期状態でExifデータ(撮影位置情報)を写真に埋め込みます。SNS側の自動削除機能に依存せず、OSレベルでカメラの位置情報権限を切ることで、自宅や活動拠点の特定リスクを根本から防ぐことができます。
また、位置情報オフのバッテリー節約効果についても検証が進んでいます。現代のスマートフォン(iOS・Android)はGPSチップ単体の低電力化が進んでいるため、システム全体のGPSを切るだけでは劇的な改善は見込めません。しかし、「Life360」や「whoo」、バックグラウンドで常時高精度測位を行う地図アプリを個別に停止させた場合、1日あたり約5〜12%のバッテリー持ち向上が確認されています。無駄なバックグラウンド通信を断つ意味で、アプリ選別によるオフ設定は有効です。
知っておくべき決定的なデメリット
一方で、iPhoneの位置情報オフによるデメリットは紛失・緊急時に顕在化します。端末の「位置情報サービス」を丸ごとオフにしてしまうと、万が一の盗難・紛失時に「探す」ネットワークから現在地を割り出すことができなくなります。
さらに、地図ナビゲーションのルート案内が機能しなくなるほか、配車アプリやフードデリバリー、天気予報アプリの自動地域判定が利用できなくなります。防災速報アプリが現在地連動で避難情報を通知できなくなる点も、見落としてはならないリスク要因です。