半円形の鉄板カウンターを挟み、ゲストと対峙するシェフの手さばきはまさに極上のエンターテインメントだ。ナイフとフリッパーが奏でる軽快な金属音、立ち上るガーリックの香ばしいアロマ、そして一口頬張った瞬間に溢れ出すジュワッとした肉汁。五感すべてが鮮やかに刺激されていく。
特筆すべきは、シェフたちの絶妙な間合いと会話のセンスだ。食材のルーツや焼き加減のこだわりを押し付けがましくなく語りながら、ゲストそれぞれの食べるペースにそっと寄り添う。この臨場感と心地よい距離感こそが、カウンター席を至高の特等席たらしめている理由だろう。