セコンド席からリングを客観視する日々は、一歩に劇的な意識改革をもたらしました。かつての一歩は打たれ強さに頼るインファイターでしたが、幕之内一歩のセコンド編を通じて相手のフォームの癖、呼吸、パンチの軌道を瞬時に見抜く高度な「戦術眼(ボクシングIQ)」を開花させました。
その進化が如実に表れたのが、世界王者ヴォルグ・ザンギエフや千堂武士とのスパーリングです。ブランクがあるはずの一歩は、現役世界ランカーを相手に一歩も引かないどころか、左ジャブだけで圧倒する驚異的なパフォーマンスを披露しました。
さらに注目すべきは、必殺技の進化です。身体の柔軟性と体幹の強化により、縦・横・斜めの軌道を自在に折り混ぜ、自らブレーキをかけて即座に逆回転へ移行できる新型デンプシーロールの完成が現実味を帯びています。破壊力と隙のなさを両立させた究極の打撃フォームは、すでに実戦投入可能なレベルまで練り上げられています。