国内のみならず、海外における彼の評価は近年急速に高まり続けている。欧米のグラフィックノベル市場において、日本のオルタナティブ漫画に対する関心が爆発したことが大きな契機となった。
その決定打となったのが、世界最高峰の漫画賞として知られるアングレーム国際漫画祭での特別栄誉賞受章である。ヨーロッパの権威ある批評家たちは、彼の作品に漂う静寂と詩情、そして人間心理の深淵を鋭く抉り出す視線を大絶賛した。
筑摩書房をはじめとする各出版社から刊行された文庫や全集は、仏訳や英訳となって世界各国で翻訳出版された。かつて東京の小さなアパートで紡がれた個人的な物語が、今や地球の裏側で「芸術」として熱狂的に受容されている事実は痛快ですらある。