東京でも京都でもなく、なぜ福岡なのか。その答えは、この都市が古来より東アジアとの交易の要衝として果たしてきた「アジアへの開かれた窓」という歴史的アイデンティティにある。単なる地方都市の美術館にとどまらず、アジアの現代表現に特化した尖った眼差しを四半世紀以上貫いてきた実績が、今やグローバルな評価となって結実しているのだ。
国際的なアートフェアのシーズンになると、欧米の著名なアートディレクターやコレクターがこぞってこの地を訪れる。「いまアジアで何が起きているか」を正確に読み解くための羅針盤として、ここ以上の場所が存在しないことを彼らは知っているからに他ならない。