子役としての成功体験に甘んじることなく、大人の表現者へ脱皮を図る姿勢は、大手事務所「研音」への移籍からも窺える。日本の芸能界において、子役出身俳優が大人へと脱皮する過程には常に高い壁が立ちはだかる。
同世代で第一線を走り続ける芦田愛菜のように、学業と演技を両立させながら確固たる地位を築く存在は刺激であり手本でもある。声変わりや体型の変化という身体的な成長期をポジティブな武器に変え、寺田心は「子役の延長」ではなく「一人の俳優」としての覚悟を固めた。その背中を静かに推し続けたのもまた、最愛の母であった。