悠仁さまが初めて歌会始に和歌を寄せられたのは、お茶の水女子大学附属中学校3年生だった2026年のお題「窓」でした。このときに披露された一首は、皇居や赤坂御用地の豊かな自然に対する鋭い感覚を示すものでした。
「散策し残れる田にある初鴨の静けき波に立つをみつれど」
冬の朝、赤坂御用地内の水田に残る鴨が立てるかすかな波紋を、窓からの景色や散策時の記憶と重ね合わせて詠まれたこの歌は、中学生とは思えない静謐な観察眼として話題を呼びました。続く2026年のお題「友」では、筑波大学附属高校への進学後に経験された友人たちとの修学旅行や歴史探訪を題材とされました。
「すぎし日の友らと訪ひし町並みにのこる白壁いにしへのごと」
長崎や各地の古い町並みを巡り、かつての歴史に思いを馳せながら仲間と過ごしたかけがえのない時間を素直な言葉で表現されています。そして2026年のお題「和」では、悠仁さまの真骨頂とも言える作品が誕生しました。
「広原の草刈り進みゆくにつれ姿を現す赤尾の蜻蛉」
御用地内の草地で環境保全活動や観察を続けるなか、刈り取られた草の奥から鮮やかな赤色のアキアカネなどのトンボがふわりと飛び立つ一瞬を捉えたこの短歌は、後述する研究者としての一面を雄弁に物語る名作として広く知られることとなりました。