寺脇のキャリアは実に多彩だ。三宅裕司率いる『劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)』での過酷な下積み時代に鍛え上げられたギャグセンスと身体能力。それが一気に大衆へと知れ渡るきっかけとなったのが、1996年にスタートした情報バラエティ番組『王様のブランチ』だった。
10年間にわたり初代総合司会を務め、生放送のスタジオを抜群の安定感とユーモアで回し続けた。気取らない人柄とゲストを心地よく立てるホスピタリティは、土曜午前のテレビ文化そのものを塗り替えたといっても過言ではない。情報番組の司会として頂点を極めながらも、彼は自らの本分が「役者」であることを忘れなかった。
刑事ドラマ、ホームドラマ、サスペンス、時代劇。硬軟自在に演じ分けられる稀有なバイプレイヤーであり、同時に真ん中に立って全体を牽引できる主役の器でもある。バラエティで培った瞬発力と愛され力は、俳優としての厚みへと見事に昇華されている。