事の発端となったのは、番組が仕掛けた悪意に満ちた検証企画だった。「子供からもらった宝物、いくらで売ってと言われたら売る説」や、ロケ先で理不尽な要求を突きつけられた際の人間の本性をあぶり出すドッキリにおいて、板東英二の反応は制作側の想像をはるかに凌駕していた。
カメラが捉えていたのは、かつてのお茶の間の人気司会者の姿ではない。金銭に対する異様な執着、仕掛け人の子供やスタッフに対する冷徹な視線、そして撮影を力ずくで止めようとする生々しい剣幕だった。VTRは突如として異例のテロップ処理に差し替えられ、映像の大半が「放送自粛」として黒塗りにされるという、地上波ではまず見られない異様な構成となったのである。
テレビ演出の常識なら、タレントのイメージを守るために「お蔵入り」にするのが通例だ。しかし、この番組は違った。「全カットになったという事実そのものを放送する」という掟破りの手法を取り、結果として視聴者に底知れぬ恐怖と好奇心を植え付けた。