現代フットボールにおいて、かつて中村が君臨した「クラシカルなトップ下」は絶滅の危機に瀕している。インテンシティの向上、ハイプレス、そしてスペースの極限までの圧縮。もはや優雅にボールをキープし、一本のパスで局面を変えるファンタジスタの居場所はピッチ上に残されていない。
「今は走れないと話にならない。でも、走るだけの選手ばかりになっても面白くないでしょ」と中村は苦笑する。これに対し、本田はさらに踏み込んだ。「システムに組み込まれるだけの優等生が増えすぎた。戦術を壊してでも自分の色を出せる奴がいないと、ワールドカップのベスト8以上の壁は破れない」。二人の意見は、現代のシステマチックすぎる育成への懸念で一致していた。