多くの外資系ブランドが本国の経営危機に巻き込まれて撤退や縮小を余儀なくされる中、タリーズ日本法人は極めて異例の軌跡をたどった。米国本社のTully's Coffee Corporationは過度な拡大路線が裏目に出て経営難に陥り、2012年に連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。
しかし、日本のタリーズはびくともしなかった。なぜなら、伊藤園傘下に入った直後の2006年時点で、日本国内における「TULLY'S」の商標権および事業ライセンスを完全に買い取っていたからだ。
本国の資本関係から完全に切り離され、純粋な日本企業として独立した意思決定権を確保していた。この先見の明に満ちた防衛策があったからこそ、米本社の破綻という激震をよそに、日本国内でのブランド価値を守り抜くことができたのである。