タレントの不祥事に対し、芸能プロダクションが講じる初動対応の成否が企業の命運を分ける時代となった。危機管理広報の専門チームを編成し、平時からSNS講習やコンプライアンス遵守を徹底させるホリプロなどの大手事務所であっても、個人のプライベートを24時間監視することは物理的に不可能だ。
「契約書の取り交わしや定期的な面談を行っていても、個人の私生活の領域にどこまで踏み込めるかというプライバシーの壁があります。問題が発生した際、事実を隠蔽しようとすれば即座に炎上し、企業の信頼は完全に失墜する。現在の危機管理広報に求められるのは、いかに早く事実を認め、被害者への誠意ある対応と取引先への補償スキームを提示できるかという一点に尽きます」(芸能プロ幹部)
日本の芸能界全体が構造改革を迫られる中、所属タレントを守るための盾であったはずのマネジメント機能は、いまや社会規範との板挟みになりながら極限の防衛戦を強いられている。