結論から言えば、「いくら摂取しても完全に無害で、薬のように身体を修復する砂糖」は存在しない。どれほど自然な製法で作られていようと、糖質は糖質である。しかし、摂取した直後に体内で巻き起こる生化学的リアクションの質には、天と地ほどの開きがある。
医学論文データベースのPubMedを紐解くと、糖の摂取において最も警戒すべきリスクとして浮上するのが「血糖値スパイク(食後高血糖)」だ。血中にグルコースが一気に流れ込むと、血管内皮細胞は激しい酸化ストレスに晒される。日本糖尿病学会のガイドラインやGoogle Healthが主導する最新の代謝動態解析プロジェクトでも、心疾患や認知機能低下の起点となるのは平均血糖値の高さだけでなく、この急峻なグルコースの乱高下であることが明確に示されている。
世界保健機関 (WHO) は成人の遊離糖類摂取量を1日の総エネルギー摂取量の5%未満(約25g)に抑えることを推奨しているが、問題は量だけではない。消化吸収スピードを示すGI値(グリセミック・インデックス)をいかにコントロールし、インスリンの過剰分泌を防ぐか。これこそが、現代栄養学が導き出した「体にいい」選択の核心である。