かつて「早稲田のプリンス」と呼ばれ、小劇場界隈で熱狂的なファンを集めていた時代から、彼の演技に対するアプローチはどこか常軌を逸していた。大学を中退してまで演技の道に専念した覚悟は、時に周囲を圧倒するほどの執着心に裏打ちされていた。
役柄を理解するために専門書を貪り読み、台本がボロボロになるまで読み込むスタイルは有名だ。しかし、彼本人はインタビューなどで自身の演技を驚くほど客観的、かつ醒めた視線で語る。「自分を無にし、役に身体を貸す」という感覚。そのストイックな姿勢と、どこか自我を漂白したかのような佇まいこそが、幾多のハマリ役を生み出す原動力となってきた。