家庭の破綻という逆境の中、家族はそれぞれ別の道を選びながら自立を模索しました。妹の杏は高校を中退してモデルの世界に飛び込み、自らの力で借金を完済してトップ女優へと駆け上がります。一方、父の渡辺謙は映画『ラスト サムライ』で世界的な成功を収め、ハリウッドスターとしての階段を駆け上がっていきました。
偉大な父と急成長する妹の間に挟まれながらも、渡辺大は決して焦りを見せませんでした。安易に親の七光りに頼ることを頑なに拒み、オーディションを愚直に受け続ける泥臭い下積みを経験。家族という濃密な呪縛から抜け出し、ひとりの独立した表現者としてのアイデンティティを確立していったのです。