近年、国際競技大会におけるバレーボールの戦術は急速なスピードで進化を遂げている。かつての「高さとパワー偏重」から、サーブレシーブの返球率を前提としない「ハイブリッド・パイプ攻撃」や、バックアタックを組み込んだ超高速のシンクロ攻撃へとシフトした。
その戦術的進化を象徴するのが日本のプレースタイルだ。長身選手が揃う海外勢に対し、組織的なディフェンスとセッターを中心とした多彩なトスワークで対抗する姿は、世界中のアナリストから高い評価を受けている。一方で、海外のトップチームも日本のディフェンス網を破るべく、ブロックの隙間を抜くストレート打ちや、ミドルブロッカーの囮を徹底的に使うトス配分を研究し尽くしてきた。
フィジカルの壁を戦術とスピードで無効化しようとする日本と、それを圧倒的な個の力とシステマチックなブロックで迎え撃つ欧米勢。コート上で繰り広げられるチェスのような頭脳戦は、観る者を惹きつけてやまない。