インターネット上で度々囁かれる「株式会社トレジャーは既に倒産しているのではないか」「活動を完全に停止したのではないか」という言説は、ゲーム開発・販売におけるビジネス構造の無理解から生じた誤解です。
まず押さえるべきは、トレジャーが設立以来一貫して「独立系デベロッパー(受託・共同開発スタジオ)」という立ち位置を主としてきた点です。『斑鳩』や『レイディアントシルバーガン』をはじめとする名作の多くは、セガ、任天堂、ESPなどの外部パブリッシャーを通じて市場に流通していました。トレジャー自身が販売元(パブリッシャー)として直接大々的なプロモーションを打つケースは少なく、ゲームパッケージのオモテ面には大手パブリッシャーのロゴが掲出されるのが常でした。
さらに、スマートフォンのガチャ課金型ゲーム受託などで無理に規模拡大を図ることはせず、極めて抑制的な固定費管理を行っている点も見逃せません。少数精鋭であるため、大規模なオフィス維持費や膨大な人件費による経営圧迫リスクが低く、過去作のライセンスロイヤリティ収入や限定的な受託案件だけでも盤石な経営基盤を維持できる財務構造が構築されています。沈黙しているように見える期間は「倒れた」のではなく、「次に向けて静かに爪を研いでいる」と捉えるのが業界関係者の共通見解です。