「洗濯物は太陽の光に当ててカラッと乾かすのが一番衛生的」という固定観念は、セーターのメンテナンスにおいては致命的なミスにつながります。
洗濯絵表示を確認すると、ウールやアクリルを含むニット製品のほぼ全てに「日陰の平干し」または「日陰のつり干し」が指定されています。これがセーター陰干し推奨の理由です。動物性繊維であるウールやシルク、カシミヤは主成分がタンパク質(ケラチン)で構成されており、直射日光に含まれる強力な紫外線(UV)を浴びるとタンパク質が変性し、繊維の強度が著しく低下します。
さらに、紫外線は染料の分子結合を破壊するため、わずか数回の天日干しで黄ばみや色褪せを引き起こします。また、直射日光の熱によって繊維内の油分(ラノリンなど)が過度に蒸発し、ニット特有のふんわりとした柔らかさが失われてゴワゴワの肌触りになってしまいます。セーターを乾かす際は、直射日光が当たらない「風通しの良い日陰」または「サーキュレーターを稼働させた室内」に干すことが必須原則です。