日本のテレビドラマにおいて、『HERO』は既存ジャンルの構造を打ち破ったエポックメイキングな作品である。それまで法廷での論戦を中心に描く重厚なリーガルドラマや、警察組織の攻防を描く刑事ドラマが主流だった中で、本作はその双方の魅力を鮮やかに融合させた。
検察官が自ら街へ飛び出し、現場検証を行うアクティブなエンターテインメント性。オフィスワークとしての検察庁内のコミカルな日常描写。これらを高いレベルで共存させた構成は、その後のテレビ業界における作品作りの基準を大きく引き上げた。単なる事件解決のミステリーにとどまらず、組織と個人のあり方を描く人間ドラマとして昇華させた手腕こそが、本作を色あせない名作たらしめている理由だ。