この前代未聞の空間を創り出したのは、創業者の菊地敬一だ。「遊べる本屋」という常識外れのコンセプトを打ち出し、単に本を売るのではなく「本のある空間と体験」を商品として提示した。その底流には、芸術家・岡本太郎が残した「爆発」や「混沌」を肯定する圧倒的な美学が存在する。無秩序に見えて計算し尽くされた陳列は、訪れる者の好奇心を激しく揺さぶる。
菊地敬一が目指したのは、正解を押し付ける効率的な書店ではない。自分の「好き」を突き詰め、思いもよらない価値観と出会える実験室だ。岡本太郎の精神を受け継ぐかのような自由奔放なPOPの言葉は、今もスタッフ一人ひとりの手で書かれ、商品の横で異彩を放ち続けている。