喋らないマスコットが、なぜこれほどまで強烈な言葉の力を持ち得たのか。答えは、試合前やイニング間に繰り広げられる「手書きフリップ」にある。
時事ネタ、政治風刺、他球団への皮肉、さらには自球団の経営陣への突っ込みまで。タブー視されるテーマにも容赦なく切り込むブラックユーモアは、球場に集まる観客を常に沸かせてきた。だが、単なる暴走ではない。そこには緻密な計算と、膨大な情報収集に裏打ちされた「間」のテクニックが存在する。スタンドの空気を一瞬で読み取り、筆を走らせるスピード。まさに一級のエンターテイナーによる現場の直感そのものだ。