グループ卒業後、大手芸能事務所ホリプロに所属した彼女が足を踏み入れたのは、誤魔化しのきかない舞台芸術の世界だった。とりわけ、長年多くの人々に愛され続けてきた名作ミュージカル『ピーター・パン』への出演は、彼女のキャリアにとって決定的なターニングポイントとなる。
舞台の上に立つということは、編集もテイクアウトもない一発勝負の連続だ。身体全体を使った歌唱、劇場の最後列まで届ける言葉の発声、そして共演者との濃密なセッション。徹底的に基礎を叩き込み、汗を流す日々の中で、元アイドルとしての残像は完全に削ぎ落とされていった。ミュージカルの現場で培われた圧倒的なダイナミズムは、彼女の役者としての骨格を決定づけたといえる。