中尾山地区の魅力を語るうえで外せないのが、その圧倒的な歴史の蓄積だ。交流館から歩いてすぐの場所には、かつて世界最大級の規模を誇った「中尾上登窯跡」が保存されている。全長約160メートル、33室におよぶ巨大な登窯の姿は、当時の生産力と技術力の高さを無言のうちに物語る。
江戸時代、高級品だった磁器を庶民の手に届く価格で量産することに成功した波佐見のイノベーション。そのパイオニア精神は、今も中尾山の職人たちの中に生きている。古い赤レンガ煙突や窯垣が残る路地を歩けば、400年以上にわたり絶えることなく受け継がれてきたものづくりの熱量が、肌を通じて伝わってくるはずだ。