井上瑞稀が芸能界への第一歩を踏み出したのは、2009年12月25日、奇しくもクリスマスの日でした。当時わずか9歳(小学3年生)だった彼を突き動かしたのは、周囲の勧めではなく、彼自身の強烈な意志でした。
入所の決定的なきっかけとなったのは、テレビ画面の向こうで圧倒的な輝きを放っていた山田涼介(Hey! Say! JUMP)の存在です。ドラマ『探偵学園Q』などで魅せる繊細な演技と、歌番組での華やかなセンターパフォーマンスに心を奪われた少年・瑞稀は、「自分も山田くんのようになりたい」と両親に直談判し、自らの手で履歴書を送ることを決意しました。
オーディション会場でもその強い熱量は際立っており、見事に合格を勝ち取ります。後年のロングインタビューにおいて井上は、「山田くんの存在がなければ今の自分は絶対にいない」と公言して憚りません。単なる憧憬にとどまらず、歌、ダンス、芝居のすべてにおいて妥協を許さない山田涼介のプロフェッショナリズムを幼心に刻み込み、自らの指標とし続けたことが、その後の息の長い活躍を支える精神的支柱となりました。