安藤夢叶の名を一躍全国区に押し上げた最大の転機が、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズンにおける青学(せいがく)・菊丸英二役への抜擢でした。
菊丸英二といえば、原作漫画でも屈指の人気を誇る天真爛漫なムードメーカーであり、コート狭しと跳び回る「アクロバティックプレイ」が代名詞の難役です。歴代キャスト陣も卓越した身体能力を持つ俳優たちが担ってきたこの役に対し、安藤夢叶は初演から圧倒的な完成度を見せつけました。
劇場に足を運んだ観客の間では、激しいラリー戦の合間に見せるバック転や軽やかなステップ、息を切らさずに歌い上げる安定したピッチが大きな話題となりました。舞台関係者の証言でも「空中姿勢の美しさと着地の静けさが群を抜いている」と絶賛され、ただ原作を模倣するだけでなく、菊丸の人間的な温かみや相棒・大石秀一郎への信頼感を繊細な芝居で表現し切った点が高く評価されました。