英語学習者の多くが「どうしたの?」の万能訳として記憶している「What's wrong?」。しかし、海外の語学教育機関や異文化コミュニケーションの専門家が指摘するように、このフレーズには「wrong(異常・不正・故障)」というネガティブな概念が本質的に組み込まれています。
言葉の背景にある前提として、「何かが間違っている」「異常な状態が起きている」という認識が含まれるため、単に少し考え事をしているだけの相手や、それほど親しくない同僚に対して投げかけると、過剰に深刻なトラブルを疑っているように響いたり、無遠慮な詮索と受け取られたりするリスクがあります。
特に注意すべきは「What's wrong with you?」という表現です。末尾に「with you」を付け加えた瞬間、意味合いは「あなた、一体どうしちゃったの?」「正気なの?」という強い非難や苛立ちのニュアンスへ激変します。映画の喧嘩シーンで頻出するこのフレーズを悪気なく親切心で使ってしまい、相手との関係に深い亀裂が入ってしまったという現場の失敗談は枚挙にいとまがありません。