夜間のわずかな照明下や防犯カメラの映像であっても、特定の部位に着目すればアナグマとハクビシンの識別は難しくありません。現場の専門家が判別の基準としている3大ポイントを整理します。
最も明確な判断基準となるのが顔の模様です。ハクビシン(白鼻心)はその名の通り、額から鼻先にかけて白い一本線がクッキリと縦に走っているのが最大の特徴です。目元は黒く縁取られていますが、鼻筋の白線が顔全体を上下に二分するように目立ちます。対するアナグマは、鼻筋に一本線はなく、イタチ科特有の平たい顔立ちに目の周囲だけが黒褐色に縁取られたタヌキに近い風貌をしています。
次に確認すべきは尻尾の長さと全体のシルエットです。ハクビシンは胴体とほぼ同じ長さ(約40〜45cm)の細長い尻尾を持ち、木の上を身軽に移動する樹上生活に適したスマートな体つきをしています。一方のアナグマは、尻尾が約10〜15cmと極端に短く、地面を歩く際にもほとんど目立ちません。胴体はずんぐりと丸みを帯び、どっしりとした重量感(体重約4〜12kg)があります。
ぬかるんだ土や雪上に残された足跡の特徴も見逃せません。アナグマは土を掘るための非常に長くて鋭い5本の爪を持っており、足跡の指先にくっきりとした深い爪痕が残るのが特徴です。ハクビシンも5本指ですが、爪痕は浅く、指の腹(肉球)の接地面積が広いため、まるで小さな人間の手形のような痕跡を残します。