大阪市立科学館の歴史は、1937年に開設された日本初の科学館「大阪市立電気科学館」にまで遡ります。その精神を受け継ぎ、1989年に現在の中之島へ移転開設されて以来、「宇宙とエネルギー」を基幹テーマに掲げてきました。2026年夏に完了した大規模リニューアルでは、展示設備の老朽化対策にとどまらず、現代の教育潮流である「STEAM教育(科学・技術・工学・芸術・数学の横断学習)」を意識したインタラクティブな設計へと進化を遂げました。
地下1階から地上4階までにおよぶ館内構成のなかで、特に来館者を惹きつけているのが4階の「宇宙とその発見」フロアと3階の「身の回りの鉱物・エネルギー」ゾーンです。従来のパネル解説主体の展示から脱却し、自ら手を触れて物理現象を体感できる装置が拡充されました。実際に現場を歩くと、子どもたちがクランクを回して発電効率の違いを確かめたり、光の屈折やスペクトルを視覚的に観察したりする姿が随所に見られます。
施設関係者の発表資料によると、リニューアル後は展示解説の多言語デジタル化やユニバーサルデザインの強化も進められており、インバウンド観光客やシニア層のアクセシビリティも大幅に改善されました。単なる「子どもの遊び場」ではなく、大人が訪れても基礎科学の深奥に触れられる知的好奇心の拠点として再定義されています。