視聴者の集中力は、かつてないほど摩耗している。現代のユーザーが1つの映像に興味を持つか否かを判断する時間は、平均してわずか1.8秒。冒頭で視線を惹きつけられなければ、一瞬で次のコンテンツへスワイプされる。容赦のない淘汰の仕組みだ。
映像制作の現場では、かつての映画手法のような「起承転結」は完全に廃れた。開口一番に最もショッキングな結論や映像のピークを配置し、倍速字幕と刺激的な効果音で脳を休みなく殴り続ける手法が標準化した。倍速視聴すらまどろっこしいと感じる世代にとって、無駄な間(ま)や情緒的な演出は「スクロールされるリスク」でしかない。